この国の移民の受け入れ態勢には感心を超えて感動させられることが多いけれど、今日もそんな気分になってしまったので、そのことを。
これまでに授業をふたつとっただけのコミュニティカレッジに、大学院にアプライしようと思うけれどそのために次にどの授業をとるべきかのカウンセリングに行ったら、なんか結果として移民キャリアコンサルティングを受けてしまった話。
私「この大学院にアプライしようと思うのですが、どんなサポートが受けられますか?推薦状とかはどうしたら?」
カ「なるほど、推薦状はこれこれよ。ところで、どうしてここに行きたいの?あなたはいつ米国にきて、これから何がしたいわけ?」
私「えーっと、日本から米国に来て、ここで授業いくつかとって、ダイバーシティとか自分がマイノリティであることに結構衝撃を受けたんですよね。で、そこからこうこう考えて、日本に帰ったらこういうことしたいなと思って、このプログラムにアプライしようかと。」
カ「Cool! 日本ではどんなことしてたの?」
私「あ、日本ではこういうことやってて、だから一応つながってるんです。引き続きこのキャリアテーマは追い続けていきたいんですよね。」
カ「すっごいCool! でも、すぐ日本に帰る予定はないんでしょ?だったら、アメリカでどうするか考えなきゃいけないんじゃない?あなたのキャリアなら、大学院ではなく、すぐに働き始めるっていうのもオプションとしてあると思うけど。」
というような流れ。結局30分枠いっぱいつかって話して、明日も来いって言われてもう一度行って、じゃあ大学院と就職と両方同時に模索してみようぜってことになり、いろんなリソース教えてもらって、定期的に話しましょう、ってことで終了。
なんつーか、私学生時代にカウンセリングとか受けたことない(というか20年前の日本の大学にはそんな仕組みはなかったような気がする。少なくとも知らなかった。)ので、ものすごく新鮮だった。そして、自分の将来についてクヨクヨ悩んでいたので、こんな見知らぬ人が一緒になって親身に考えてくれることに、なんだか泣きそうになってしまった。
彼女はただのコミュニティカレッジの学生向けカウンセラーで、私は全学生(ほぼ10代〜20代アメリカ人)に推奨されている1学期に1回のカウンセリングを予約しただけなのに、私が移民とわかるや、日本でやってきたことを丁寧にヒアリングして、アメリカでのキャリアのビジョンがうまく描けないことをよく理解し、必要なサポートが得られる機関を複数紹介してくれた。しかもその機関というのが、「母国で一定以上の教育とキャリアを持つ移民が、米国でキャリアをうまく活かせるようになるためのトレーニングおよびコンサルティングサービス」という、まさにどんぴしゃりなNPO。そんなものが成立し得るぐらい(調べたらNYを本拠地に米国各地にある)移民が多く、そしてそのサポートが充実している。
なんというか、私がいつも感動してしまうのは、この「草の根感」なのだ。特別なところに行って特別枠のサービスを受けずとも、あたりまえのように移民に向けた支援の手がそこらじゅうにある。カウンセラーも「ここはバークレーだからね」と笑っていて、これがアメリカのスタンダードじゃないことぐらい私も理解しているけれど、だとしても、移民を受け入れてサポートして社会に送り込もうとする姿勢が根付いているこの社会は、この街はすごいと思う。
けれど、もし私が受け入れる側の立場だったらどうなんだろう、と考えると途端に、トランプさんの顔が脳裏に浮かぶ。移民排除。アメリカはアメリカ人のもの。不法移民は決して許さないetc. 正直、私がアメリカ人だったらトランプに賛成するかもしれないなと思う。どうして、この国の一定の人々は、そしてバークレーの人々は(だいたいにおいて知的エリートたちだ)、移民をこんなにも受け入れ、サポートするんだろうか。アメリカはもともと移民の国だと言っても、そこには自ずから限界があるはずなのに。
アメリカに6年暮らし、いろいろな人と話したし、関連のニュースもたくさん聞いたし、なんなら関連する論文読んでresearch paperも書いた(授業の一環で)。でも、わかるようでいて、まだまだわからない。問題の全体像が大きすぎて複雑すぎて、自信を持って自分の意見を言えない。いつか、ちゃんと理解して自分の意見を決められたらいいと思う。